感想・電子遊戯編。

ゼルダの伝説 夢幻の砂時計 

発売元:任天堂

対応ハード:DS

そーいや今回の携帯機版ゼルダ、カプコンとの共同開発とは違うんだろーかね? タイトルデモにもコレといってロゴ表示無かったしなぁ。ずいぶん前のゲーム誌インタビューでは、そんなコト言ってたよーな記憶もあったんだが。ともあれ、シリーズ系譜では風のタクトの続編的な扱いになる本作、夢幻の砂時計のレビューを行ってみましょー。あぁ、据置機での本編に対する携帯機による続編作としての展開では、神々のトライフォースと夢を見る島の関係以来じゃないかねー(←なんだそのゲームトリビア)

今作の最大の特徴は、何を置いてもやはり、タッチペンのみであらゆるアクション・ゲームプレイを行うとゆー操作系に尽きるでしょうね。リンクを歩かせるのも、ヒトに話しかけたり立て札を調べたりするのも、爆弾やブーメランを使うのも、そしてシリーズ好例の必殺ワザ・回転斬りでモンスターを薙ぎ払うのも、その全てをタッチペンだけで操作するのです。ボタン操作が一切無い、それが本作の特徴なんですねー。十字キーで移動とか、そんなあるイミ当たり前なコトが、本作ではむしろできないのです。この要素、フツーのプレイヤー(てか、単純にゲーマー層)にとってはかなり取っつきにくそーな印象を与えますが、ソレがドッコイ、この操作がまた驚くほどやりやすくってすぐに慣れる。このポイント、開発スタッフは操作のチューニングに相当パワーを注いだんでしょうねー、ゼルダみたいなバリバリのアクションADVで、こんな前例に無い操作系を導入しながら、この「ペンアクション」が実に馴染みむのですよ。このDSに完全特化した・させたプレイスタイルとソレが生み出す面白さは、実に独特で魅力の一種となっています。

また、本作の特徴で絶対欠かせない点にもうひとつ、マップに直接メモを残せるとゆーのがあります。コレがまた独自の面白さを増す要素でして、単純なトコではダンジョン内の謎解きヒントや、宝箱の位置なんかを書き留めたりするのに役立つワケですが。もっと他にも冒険中でチョット気になるトコ、たとえば壁のヒビの位置をチェックしといて後で爆弾を手に入れてから壊しに向かうといった、フツーにプレイしてたら忘れそうになるトコをマップを一目するだけで簡単に思い出せるようにしとくみたいな、本当にプレイヤーの役に立つためのメモ書きとして活用できるのが面白いんですよねー。自前で現実のノートにヒントを書き置くんじゃなく、ゲームの中に直接メモを残せるってのが、これまでありそうで無かった要素で実に楽しいのです。実際ゲーム中でも「カエルの羅針盤」なんか特に、コレクト画面にマーク残したりなんかしないから自前でメモって忘れんようにしろよ、とゆースタンスで始めっから用意されてますしねー、これこそゲーム自体にメモを残せるからこそ可能である要素と言えましょう。

そして何より、ゲーム自体の他にも本作は魅力的な要素が充分詰まっております。前作となる風のタクト同様の、大海原によるメインフィールドの構成は、洋上で敵に襲われたりなど移動中でも退屈にさせない工夫があるし、なにより広大な海を船で進むこのスケール感がつくづくいま大冒険してる!、といった感じを与えてくれて、個人的にとても好きな要素です。なんてのか、海洋冒険のロマンを感じるっつーのか(笑) このグラフィックもまた個人的な好みで、またソコを除いても本作、本来DSには実現不能なハズの上下画面同時ポリゴン表示を実行に移しているなど、何気ないトコで高度な開発力を見せてくれてます。コレのおかげでボス戦の臨場感が更に高まってるんですよねー。ま、さすがにフレーム数は落ちますケド。にしてもコレ、どーやって実現させてんのかサッパリ分からん。機体の設計上ムリな事をやってるって点で、ぶっちゃけ開発陣は自慢してもイイくらいだと思うんだがなー、インタビューでコレ答えてるとこいっこも見たことねぇし…どんな”魔法”使ってんだ……

あ、どーせならもいっちょ、登場人物についても語ろっかな。今回の冒険には、毎度好例のサポート役の妖精・シエラと、更に加えて船乗りのラインバックがパートナーとして一緒に旅の道連れになってくれるんですけどね。このふたりがまた、個性的なグッドキャラとして、リンクと並んで活躍してくれてます。シエラは、過去の妖精キャラと違ってさほど強い使命感なども持たず、ごく単純に友達・リンクやテトラのために一緒に頑張ってくれるとゆーようなキャラで、その快活な性格と相まってとても好感を抱く女の子として動いてくれてます。ボイスもナビィ声なのがチョット嬉しかったしな() またラインバックも、お宝にうるさい打算的な性格のウラで、なんだかんだとリンクらのために一肌脱いでくれるトコなんか、憎めない世話焼きキャラといった感じでコレまた好感触。明るく元気な女の子ぼやいてばっかのオッサンとによるやり取りの様が、なんとも楽しい冒険物語を演出してくれて、今回のパートナーキャラはシリーズ中でもトップクラスの魅力を持っていると私は思います。

そーいった本作の欠点ですけど。本当に細かい操作にはやっぱ向いてないんですよね、ペン操作。具体的に言うと、リンクを1歩だけ動かしたいと思っても、そーいった微調整はまずできなかったりとか。基本的に大雑把な操作でも許容できるよーに全体的な調整がされてるのは伝わるんですけど、それでも時折細かい操作を求めるコトもあるワケで、そーした時にウマく操るのはかなり難しい、と。だからっつってボタン操作もできるようにしろ、とは決して言いませんケド…う〜ん、この点は欠点として少々判断の難しい点かもしれませんねー。あともう1点、コレは別に欠点じゃないですが、やっぱテトラの出番はほとんど無かったなー、ってのが(苦笑) 今回は完全に囚われのお姫様役だったなぁ、あの娘。シリーズ中でも上位に入る(そしてあまりいない)明朗な性格のヒロインだから、個人的には活躍の場を増やしてもらいたかったんですけどねー(笑)


遥かハイラルを離れ新天地を求める航海の最中、リンク達は不気味な幽霊船の引き起こした騒動に巻きこまれてしまう。囚われのテトラを救い出すため、妖精の少女・シエラと船乗り・ラインバックの助力を受け、再び少年は冒険の海へと船を進めた。力・知恵・勇気の精霊からチカラを借り、悪夢の魔物にフォースを奪われた大精霊・海王うみおうを解放するため、緑衣の勇者は「夢幻の砂時計」を手に、4枚の海図を手に、島々の謎を解き明かす……

今までに無い操作系やゲームシステムによって、ゼルダの魅力をまた新たに引き出している、今作・夢幻の砂時計。一風変わったプレイスタイルの中に、変わらず高いシリーズの魅力を併せ持ち、各種の収集要素や(私は未体験ながら)Wi-Fi対戦のゲームモードも収録した、据置機作にも劣らないボリュームを持ったタイトルです。任天堂定番のこの1作、きっと存分に楽しめますよー。



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2007/07/22