感想・電子遊戯編。

ゼルダの伝説 ふしぎのぼうし

発売元:任天堂 開発元:カプコン

対応ハード:GBA

個人的に携帯機版ゼルダって、シリーズ本編に対する番外編、「トライフォース伝説じゃない物語」ってな位置づけっつー印象があるワケですが。GBカラー版ふしぎの木の実からコッチ、気が付けば「ゲームボーイ版といえばカプコンとの共同開発」という図式が確立しつつある中。タイトル順から言えば4つの剣以来のタイトルとなります、本作ふしぎのぼうしでゴザイマス。

さすがに、共同開発の数をこなしてきたおかげでカプコン側も十分ノウハウを学んだのか、実にゼルダらしいゼルダをしてくれているのが本作の特色。フィールドを探索して、人々と話をして、ヒントを集め、ダンジョンに潜り、謎を解きながら進み、アイテムを手に入れ、知恵をこらしてボスを倒し、ひとつひとつエレメントを手に入れていく。この一連の過程がとても良くできています。グラフィックもイイ具合だし、音楽も原曲アレンジが上手く利いててグッド。特にフィールドを歩き回っていて、そこかしこに散らばっている色違いの壁や変なくぼみとかを見つけたときがたまらない。「あ、アレはあとでなんかアイテム使えば行けるんだろうな、あぁ楽しみだ」という期待をいつも持たせてくれ、実際その謎を解けるようになってさらに行動範囲が広がっていく、この流れがとても楽しい。まさに”ゼルダ”してるという雰囲気が良く出ています。

また新要素のカケラ合わせが面白い。道行く人と集めたカケラを見比べ、合わせられたらフィールドのどこかに『ご褒美』が出現する。またこのカケラを合わせられる相手が、人間だけに限らずイヌとかネコとか洞窟の壁とか多彩なのもまたユカイ。まさに言葉通りに、世界中のキャラクターとカケラ合わせができるこの面白さ。うん、もう、スゲー楽しい。また、お楽しみ要素のみに限らず実際のゲーム攻略中にも組み込んでいるのはナイスだとも思います。

他に本作を語る上で欠かせないのが、相棒(相?)のエゼロとピッコロ達の魅力。まずエゼロ、コイツがイイ味だしてます。ストーリー途中で彼がかつて賢者だったことが判明するんですが、とても賢者とは思えないほどモノを知らない。どこか行くにしても大抵その場所の知識を持ってやがらねえ。ナビゲーター役としてかつて無いほどの無能っぷりを晒しながら、リンクの頭上からガミガミ言ってくるこのガンコじじいキャラがステキ。そしてピッコロ、コイツらもう可愛すぎです。なんてゆーか声がイイ。特に山ピッコロがしゃべるときの「ヤットコヤットコ♪」って……あーもう可愛いなぁテメェら!!(←なかばキレ気味に)

と、そんな中での欠点というと。GB版一作目から感じていることですが、操作形態が非常に不便です。ABボタン各々に装備品一個だけっていう、この不合理なスタイルはもうチョイどーにかならんのか。特にオレの場合だとBボタンは剣で装備固定してるから、普段扱えるアイテムが一種類だけになっちゃうんですケド。この操作形態、例えばLボタンを押すともう一種類の装備パレットに切り替わる、みたいな操作形態にすればもっと便利なのになぁ。せっかくGBAにはLRボタンが付いてるのに、Lボタンをぜんぜん有効活用してねえんだもの。あともう一点。コッチは個人的な不満ですが、キャラの印象がほとんど残らないのはどーなんかなぁ、と。ゼルダ(お姫様の方ね)なんて、ヒロインのクセにゲーム序盤で早々に退場しちゃうから途中でスッカリ存在忘れちゃうんですケド。他の登場人物もいちど会ったきりで終わる相手ばかりだから、クリアまで遊んでも記憶に残るキャラがぜんぜんいないんだものなぁ。ここで”ゼルダらしさ”を失ってる気がして残念です。


そんなこんなでふしぎのぼうし。新アイテムの登場や、小人化することで周辺への干渉の仕方がガラリと変わるところなど、本作独自の要素がとても面白いタイトルです。シリーズファンならばやっておいて絶対損はありません。あーでも、もいっこ不満があったわ。今回のゼルダ、ニワトリ切り刻む機会が無いんですよ。どうして、どうしてヤツは檻の中にしかいないのだ…っ!(←アホか)



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2004/11/29