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感想・電子遊戯編。

テイルズ オブ シンフォニア

発売元:ナムコ 開発元:テイルズスタジオ

対応ハード:GC

まず最初に言っちゃいますと。本作、私がこれまでに体験してきた数多くのゲームの、RPGジャンルで語るならば確実に5本の指に入るタイトルだったりします。総プレイは160時間オーバー、進行経過で言えば2周と少々のプレイ内容は、いま振り返るにもダテじゃねーよなぁ…(なんとなく遠い目) ともあれ、鳴り物入りで(?)GCに現れたテイルズシリーズである本作・テイルズ オブ シンフォニアのレビュー、はりきって参りましょー。余談だけど、個人的には「テイルズオブ」シリーズって呼ぶの、好きじゃなかったりして。なんてゆーのか、語呂悪くね?

始めに評価しておきたいのはやはり、本シリーズ特有の、アクション性に富んだ戦闘シーンでしょう。本作では、過去シリーズ共通の2Dから一転、3D空間を活用させたリニアモーションバトルになっているワケですが。コレがまぁ、2D → 3D への質的転換が良くできている。ソレは実際、簡素にまとまった操作形体自体もそうなんですけれど、たとえば…自分が手前で戦っている最中、画面奥で別の敵を片付けた味方がこちらへ加勢に向かって来る、みたいなシーンを自然に表現してくるトコなどは、ある種のリアルさも感じられてなかなかに面白い。つーか、前衛キャラ4人でパーティ組んでるとタコ殴りという言葉の意味がよーく理解できます。あとバトルで忘れてはならないのが、ボイスの演出ですかね。戦闘中でもベラベラしゃべりまくるゲームなんて、ディスクメディア全盛となった今やもう、珍しくもなんともないですけど。本作では戦闘中、敵が魔法を準備していると味方が警告したり(ゼロス「魔術る気だぜぇ?!」)、その反対に詠唱中に妨害を受けると警戒したり(コレット「集中できないよ〜」)など、声を持ってプレイヤーに情報を与えるとゆー使い方をしてるワケです。コレのおかげで画面外の状況も、わざわざ自分の目で見ること無くカンタンに把握でき、戦況に合わせた対応を可能にさせてくれる。ボイスを、ただの演出のみならず状況把握のための手段に用いている点は、それなりに評価に値すると思います。他にも、ユニゾンアタックやソレでの複合特技などなど、アクション豊かな戦闘を終始飽きずに続けられる。シリーズのキモであるリニアモーションバトルが、3Dになってより楽しく作り上げられています。

そしてそして。何より本作で忘れてはならないのが、このシナリオ。戦闘シーンだけとっても充分に私を満足させてくれた本作ですが、私が本作を特一級に評価しているのはやはり、物語の内容がその大部分を占めています。イヤもうホント、シンフォニアのストーリーは実に良かった。物語が良かったっつーか、登場人物達がとにかく良かった。本作に出てくるメインキャラ、ジーニアスもリフィル先生もしいなもゼロスもプレセアもリーガルもクラトスも、誰も彼も本当に好きなんですが…なかでも特筆して「大好きだ」言える、否、言いたいのが、ヒロインであるコレットと主人公であるロイドの両名です。本音を言えば、全員について逐一余すところ無く語り倒したいところなのですが。なのですが!(←2回言ってみた) …ココはひとつグッとこらえて、主役の2人だけに絞って語らせてもらいましょう。

まずコレット。キャラの性格としては、究極の天然ボケにしてのんびりマイペースなプラス思考、何もない場所でズッコケることができる超能力の持ち主と、いかにもコッテコテなマンガ的手法の女の子です。正直なところ、普段の習いなら私はこーゆータイプのキャラには見向きもしません…が、コレットについてだけは、その全てを甘受してやりたい。何故ならば、彼女がとてつもなく強い心の持ち主だから。本作のあらゆる登場人物のなかで、最も強く最も貴い心を宿した少女、それこそがコレット・ブルーネルという人物なのです。それほどの強さを秘めるがゆえ、自身を犠牲にしてさえ世界を救おうと決意してしまう・できてしまう。そしてそれほど重い使命を背負っていながら、それでもなお笑顔を忘れない彼女の姿。いやホント、彼女の内に抱えられたその強さには、正直感服してしまうほどですよ。ゲーム中盤あたりの展開ではとにっかく、コレットの行く末にヤキモキしっぱなし。プレイ当時はOPムービーのワンシーンだけがオレの心の支えになってたもんなー。いやマジで。

そしてロイド。とにかく誰よりも真っ直ぐで等身大、どこまでも理想ばかりを追い求め、いつまでも綺麗事ばかりを言い続ける。「何も犠牲にしたくない」「誰も傷つけたくない」、そんなことばかりを並べ立てる彼の在り方と言葉の数々が、どうしてこんなにも私の心に響くのか。このロイド・アーヴィングという少年が、その生き方を、理想を絶対曲げないで貫こうとするのは、「そうしなければならないだけの罪」を背負ってしまったから。そして、例えどんな事があろうとも立ち上がらなければ、生きて前に進まなければ何の意味も無いということを知っているから。数多くの罪を背負い、何度も過ちを犯し、裏切られ、傷付き、戸惑い、迷い、辛い現実に直面し続けても、それでも這いつくばってでも前に進むことを辞めようとしない彼の生き様。もしかしたらロイドの本質は、英雄や勇者などとはかけ離れた所にあるのかもしれないとすら思います。でもそんな彼だからこそ、その旅の最後に世界を救い、そしてコレットを救った。イヤもう、コレットほどの女の子が好きになったのも頷けるってモンですよ。私がもしも彼に言葉をかけられるのならこう言いたい。「お前がこの物語の主人公で本当に良かった」と。

そんな感じで、本当に声を大にして好きだと言えるタイトルですが。だからこそ、その中で感じた欠点もガッツリと叩いていきましょう。まず戦闘部分。弱点属性をつくとそーゆーセリフを言ってくれる(ジーニアス「弱点みっけ!」)のに、その後それを役に立てようとせず別の属性魔法で攻撃するってのはどーなのよ。AIになんの配慮も見られないのは、正直マズいんではないかねー。あと、移動の軸線がチョットでもズレると攻撃がスカリまくりってのもなぁ。敵に向かって自動である程度ホーミングするような、そーゆう移動システムにできなかっただろーか。基本的には面白い戦闘なのに、ビミョーなところで工夫が足りないのが否めません。あと他で絶対抜かしてはならないのが、劇中での演出面。会話シーンでのポリゴン人形の演技に、ヤな感じの違和感を憶えるくらい淡白な動作しかさせなかったのは、もう完全にダメダメ。なんつーのか、「話しているという動作」って、見てて全然オカシイもの。表情のパターンも、普通・笑う・困るの3つぐらいしかないしさぁ。過去シリーズを2Dで続けてたから、ポリゴンには不慣れってのは分かんなくもないですけど、それにしたってこの演出はいただけませんねー。


――夜空を駆ける流れ星をいま 見つけられたら何を祈るだろう? 旅立つキミと交わした約束 心の中にいつもある―― 数多くの出来事を経て、静かな森の中で座りながら、旅のその先を『彼』と語り合った… 満天の星空Starry Heavenの下で交わしたその約束は、『彼女』にとってどれほど大切なものだっただろうか? この作品で描かれていくのは、言うなれば「”彼女”が始めた旅を”彼”が終わらせてゆく物語」。7人の仲間と巡り会い、世界を知り真実を理解し、未来を紡ぐために進んでいった、彼と彼女の長きにわたる冒険。衰退の道をたどりゆく世界シルヴァラントを救うため、世界再生の旅がその時始まる……

私にとっては疑う余地も無い、5本指の傑作RPG。ですが、本作の持つ面白さは誰でも楽しめる普遍的なモノだと信じています。繰り返しのプレイにも応えうる考慮も組み込まれた、戦闘も物語も魅力に溢れた本作。ぜひともいちど、いやさ2回でも3回でも楽しんでいただきたい。


――あ、最後にちょっとオマケ。本作のエンディングについて、ネタバレ全開で私なりの考察をやらせてもらいます。んでわ、オール伏せ字でゴー。

<ネタバレ>
エンディングでロイドに宿った光の羽。あれは最終決戦直後に、エクスフィアへと吸い込まれたミトスの輝石による力なんだろーけど。実はこれ、ミトスからの最後の贈り物、そして心の何処かにあったミトスの感謝の気持ちの表れなのかなー、と。デリス・カーラーンが止まりエターナルソードが戻ってきたのも、絶対に世界を救うと言い切り、一度は解り合えた(はずであった)ロイドが、最後にどんな道を辿るか見届けるために、ミトスがやったことなんじゃなかろーか。まぁ、「女神となったマーテルに最後ひと目会うためにやった」とも考えられるんだけど、私としてはこの論を通したいですね。

にしても。エンディングまでを見ることで、元に戻った2つの世界の遠い未来の姿が、『テイルズ オブ ファンタジア』に繋がっていると推察できるワケですが。シナリオライターがここに隠したメッセージは、正直言ってなかなか残酷だよなー。なにせ未来に魔科学は再び戦争に使われ、人々は大樹ユグドラシルの名を忘れ、樹は穢れ、マナは枯渇し、デリス・カーラーンもまた滅亡への道を歩み、結果ひとりの『天使』がマナを求めて戦いを始めたのだから。「ロイド達の想い・願いは永遠じゃなかった」、暗にそう言われてるみたいで、けっこう厳しいトコです。
</ネタバレ>



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2006/01/31