感想・電子遊戯編。

ソニックラッシュ

発売元:セガ 開発元:ソニックチーム

対応ハード:DS

ソニックチームと言えば、その名のとおり、ソニックザヘッジホッグで名を馳せるソフトハウスなワケですが。DS発のタイトルとしては、実はハード発売から1年近く経ってコレで最初。だがしかし、それだけファンを待たせた”かい”は、確かにありました。それでは、ソニックラッシュのレビューへとヒア・ウィ・ゴー!!(←ソニックっぽく。巻き舌気味に。

まず本作で何より楽しいのが、上記のとーりにハイスピードアクションの要素。DSのハード特性である、2画面のみを活かすカタチで作られた高速スクロールアクションは、まさしく音速ソニックの名にふさわしい、圧倒的なまでのスピード感。加速装置やジャンプ台、バンジーロープにロケット砲など、アクト内のいたる所に配置されたギミックによって、文字通り上下左右・縦横無尽に高速で暴れ回るアクションが、実に爽快感たっぷりに楽しめます。また、スライダーやジャンプ台を利用している際には、任意でトリックアクションを決められるのがイイ感じ。基本的にはスコア稼ぎの要素なんですけれど、テンポ良くボタンを押すことでトリックを決めていくのは、メインアクションの高速性のなかにリズミカルな感覚を付加させてくれて、まさに酔いしれる楽しさに浸れます。やっぱ、アクションゲームの神髄はステージ内を動き回る楽しさとボタン操作の面白さ、なんだよなー。その点では本作、傑作と言っても過言ではないぐらいの出来だと思います。

また、本編では2画面オンリーながらも、スペシャルステージではタッチパネルを使用するワケですが。このSPステージが何気にけっこう面白い。単純なペン操作での移動と簡易的なリズムゲームの組み合わせとゆーような感じで、ゲーム全体から見たらあくまでミニゲーム的な扱いでしかありませんが。これがまぁ、単純ながらもハマれる面白さ。メインではアクションだけに注力し、あえてタッチパネルは単純な要素にのみ落とし込んだのは、本作においては確実に正解。ミニゲームだからこその面白さであり、ミニゲームなのにこの面白さ、といった感じでしょうかねー。

アクション要素ばかりほめてきましたが、実は何よりBGMがやたらとイカす。ROMカートリッジながら多数収録された、擬似ボーカル(?)による各BGMは、ゲーム中のスピード感をさらに倍増させてくれます。ソニックのモノとは別個に、ブレイズでのプレイ時にはアレンジバージョンが用意されてたりするのも、密かな高ポイント。DCの『ソニックアドベンチャー』では、ディスクメディアの利点を活かして様々なボーカル曲を使っていましたが、音楽面でもソチラに決して劣らぬ作りを見せてくれたのは、なんとも嬉しい&良い仕事です。コレのサントラ、セガダイレクト専売とか言わんで、一般発売してくんないかなー。フツーに欲しいんだけどなー。

それじゃ、いつも通りの欠点。アクト2つを両方クリアーしないとセーブされないってのは、ちとキツくねーか。基本的に本作、何度もトライ&エラーを繰り返すよーな、ワリと高めの難易度でして。ソコの点は別に構わないんですが、それで苦労してゾーンの前半をクリアーして、2つめのアクトでゲームオーバーになったら全部アタマっからやりなおしって、ソレはさすがに不親切じゃないかなぁ。普通に、1アクトごとにセーブしてほしかったです。

あともうひとつ、コッチは何より重要。相変わらずリングによるライフ管理のシステムなのは何故? どれだけ大量にリングを溜め込んでても、敵にぶつかった瞬間に全部散らばらすハメになる、このシステムを未だに採用しているのは、もはや欠点どころか疑問でしかない。ライフポイント制に換えようとか思わんのか?、ソニックチームよ。リングシステムでないと『ソニック』じゃないの? それ、美学? こだわり? だったらそんなモノはいち早く捨て去ることをオススメいたしますよ、ソニックチーム様。だって、どう考えてもゲームデザインに似合ってると思えねーもん。メインのアクションステージでもそうなんですが、ボスステージではさらに強く、そう感じさせられます。ちゃんと考えて採用してるなら構わないんですが、どーにも明確な”理由”があって採用してるようには思えないんですよねー。考え無しで使い続ける「伝統」にはなんの価値も無いんだってコト、早く気付いてほしいです。や、ほんとマジで。欠点の前者はまだしも、後者が改善されたなら、本気で名作アクションゲームに成り得る可能性秘めてると思うもの。だからこそ、私はこの一点が残念で仕方がないワケでして。


そんな感じのソニックラッシュ。2人の主人公であるソニックとブレイズのヒーロー&ヒロイン(てか、女性ヒーロー?)による、その題名には一切偽り無しの、ハイスピード突撃RUSHアクション。他に類を見ない、正真正銘の音速ソニックアクションを存分に楽しめる本作、アクション好きならぜひともお試しあれ。



<<ゲームレビュー


2005/12/23