感想・電子遊戯編。

Newスーパーマリオブラザーズ

発売元:任天堂

対応ハード:DS

横スクロールジャンプアクションゲームと言えばやはり、『スーパーマリオブラザーズ』が現在に置いてもその王道だというのは、そうそう異論のあるトコロではないと思います。そんな元祖アクションゲームが、装いも新たにしつつ、当時のテイストを存分に残したままで舞い戻ってきた。では、赤いつなぎのヒゲが大活躍する本作、Newスーパーマリオブラザーズのレビューと参りましょう。

このタイトルを語る上で重要なポイントは、確かに『New』の名称に相応しい新作マリオだってところですかねー。『マリオ5』ではなく、『マリオ64』の続編でもなく、てゆーか『スーパーマリオなんとやら』という名称が似つかわしくない、あくまでも『New』と付くべきマリオ、それが本作なのです。その論拠をザッとあげると――

・最初のさいしょはノーマルマリオ
・キノコを取ってスーパーマリオになる
ファイアマリオが超強い
・スーパースターはやっぱりラクチン
マリオが空を飛ばない
・面のクリアにはポールにしがみつく
操作は十字キーとボタンふたつだけ
・油断してるとフツーにタイム切れが迫る
基本的にかなりアッサリ死ぬ
・リトライを続ければどんなハードルも越えられる
・ノコノコ+階段で無限増殖有り
・ハンマーブロスが強い
ジュゲムは本気でウザい
・とりあえずピーチ姫は速攻でさらわれる
てゆーかシナリオがトレス用紙より薄っぺら

――こんな感じですかねー。中でも強いて述べておきたいのは、ひとつはファイアマリオの強さ。本作、この形態のマリオこそが最強です。ファイアボールさえばらまいてりゃ、大概のザコキャラはポコポコ消えてくれますし、水中ステージならばまさに向かうところ敵無し状態。このファイアマリオ最強の構図は、マリオ3以前、最初期のスーマリのテイストです。あの頃からマリオは空飛ぶようになったから、ファイアの能力がナリを潜めだしましたからねー。ふたつには、ワリと死ぬという部分。クリボー踏み損ねて激突死、うっかり穴にダイブして転落死、バブルが飛んできて焼死、動く壁に挟まって圧死…パックンフラワーが出てきて咬殺ってのもありますね、そんな多彩な死亡DEATHが待ち受けているのがマリオとゆーゲームですが(※毒キノコは消えたから服毒死は無いヨ!(←無いヨ、でなく)、そのゲーム性は本作にも明確に健在。トラップにかかり、敵の猛攻をくぐり、些細な凡ミスを連発して、それでいつの間にか難関だったステージをスッと突破する。この、トライ&エラーを何度も繰り返して攻略していく・していけるゲームバランスは、紛うこと無くスーマリのソレなのです。そしてみっつ、操作形態。本作が最も「スーパーマリオ」である点はこの、十字キー+ボタンふたつだけで構成された遊び方にあるのではないか、とさえ思います。ジャンプ・ダッシュはモチロンのこと、コウラを投げたり坂を滑ったり、さらにカベキックやヒップドロップなどの新アクションまで、たったこれだけの操作数で全てカバーできる。以前何かのインタビューで、「十字キーにボタンふたつが人間の限界なんですよ」みたいなことを言ってたクリエイターがいましたが、本作をプレイしていてフイに思い出しました。複雑なボタン操作ゆえに出せる面白さもあるけれど、こんな単純さでココまで多彩にできるなら、そうする方が断然イイですよ、ホントに。だって、間違いなく遊ぶ人間を選ばないもの。ほどよいゲームバランスとスッキリした操作系、そして原点回帰したゲーム内容、だけどその上でデカマリオなどの新要素もふんだんに盛り込まれたスーマリ。だからこそ本作は、『New』の名称が似合う、新しいスーマリだと言えるのです。

じゃーいつも通り欠点いきますかー。カベキックが暴発しやすいのは正直困った。狙ってやる分には問題無いんですが、何の気無しに壁に向かって飛んでるだけでもすぐに壁蹴っちゃうのは、ときにコントロールが利かなくて困りどころです。穴に落ちる時も、死ぬ前につい蹴ることが多いんですよねー。だからってミスが回避できる事は稀だし。あともうひとつ、マリオが滑りやすくないか?、今回。なんつーのか、私の記憶違いもあり得るんですが、『マリオ2』でのマリオとルイージの中間ぐらいに、スリップ具合が調整されてる感じなんですよねー。だから、アタマで思ってるよりも急制動がかけにくいとゆーか。まぁ、今回あげた分はやってりゃ慣れる程度の問題だから、あえて欠点と言うほどでも無いんですけど。とりあえず、遊んでてこれらの要素は気になったもので、ね。セーブの機会が限られてるって点は、いちどエンディング観れば自由にできるようになるから、別に欠点でも無いしなー。


以上、こんな感じのNewスーパーマリオブラザーズです。マップでステージ選択したり、出てくる敵キャラ、お化け屋敷や砦のステージなど、3や4からの要素も多いながら、基本のゲーム内容は紛れも無く初期のスーマリのテイスト。ある意味でのゲームの基本、アクションゲームの面白さを再確認できる本作、DSへの追加の”お供”として、ぜひとも。

あ、ラストにオマケ情報。ゲーム開始時に、L・Rボタンを同時押ししてファイル選択をすると、キャラをルイージに替えて遊べます。性能はなにも変わらないんですが、まぁチョットした気分転換としてお試しアレ。



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2006/06/26