感想・電子遊戯編。

マリオ&ルイージRPG2×2

発売元:任天堂 開発元:アルファドリーム

対応ハード:DS

マリオ&ルイージRPG2の主人公4名はこんな感じだ。

おとなマリオ
 悪者には勇敢に立ち向かい、困ったヒトがいれば手助けに乗り出すという、まさに王道的なヒーローキャラ。また、弟思いな兄貴であるのもポイントか。ただし、キノコの食べ過ぎで太り気味なのを注意されたりもするよーな、抜けた一面もあり。…って、キノコってノンカロリーじゃねーのか。確かにスーパーキノコってエネルギー高そうだけど。

おとなルイージ
 言うまでもなく最高のいじられキャラ。その虐げられっぷりは時として前作以上。道中たびある毎にヒドい扱いを受けまくり、その有様をもってプレイヤーに爆笑を提供してくれる。ただし、ベビィたちへ見せるその心優しさは誰よりも深いものであり、それこそが彼の魅力。面倒見の良いお兄さんとして、その姿はプレイヤーを和ませてくれる。

ベビィマリオ
 一言で表すと腕白ぼうず。何かあるとすぐにハンマーを振り回すよーな、かなりの利かん坊。つーかさすがに、おとなルイージを鈍器でぶん殴るのは止めなさい。とはいえ、幼児ながらもすでに弟の面倒をちゃんと見ている点は、やはり良い兄ちゃんか。

ベビィルイージ
 一言で表すと泣き虫ぼうず。なんかあったらすぐ泣く。つーか、大したこと無くても泣く。泣いて傍観して活躍はベビィマリオ任せ…って、こいつガキの頃から変わんねぇなぁ。でも純真な心がなせるモノか、ものの本質を見抜くとゆー、誰にも無い素質はあったり。


てなワケで、対応ハードをGBAからDSに移し、帰ってきました爆笑ロープレの第2弾。今回はこんな感じで、マリオ&ルイージ×2による4人の冒険が楽しめるワケですが。とりあえず本作をひとことでまとめると、前作の正統的パワーアップ作品、といった風情でしょうかねー。バトル中のアクション性やドット絵の描き込みなどなど、多数のゲーム要素のが前作に対してより一層に強化されて作られている、といった感じです。

特に目を惹くのが、やはり前作でもその職人芸が光っていた、ドット絵でしょう。今作でもまた異常なくらいにドット絵キャラが動きまくり、ソレを観ているだけで飽きない、とゆー本シリーズの魅力は健在です。さらに今回はバトル中の敵キャラにもアクションパターンが増加されており、マリオとルイージのどちらが攻撃されるのかが、攻撃前のその一瞬の動作でワリとカンタンに判別できるようになっている。ちゃんと画面を見ていれば、初見でもけっこう攻撃の回避が可能なんですよねー。バトルでは、殴って・よけてを絶えず繰り返す本作において、この敵キャラのアニメパターンの増加は、とても良いパワーアップだったと言えましょう。

そしてシナリオ。まぁ基本的にはルイージの弄られっぷりを笑い倒す爆笑シナリオ(←酷。)…なんですけど、実は本作、画面を眺めているとどことなく和むんです。それとゆーのも、おとなマリオ&ルイージがベビー2人を常におんぶしているから、なんですよ。道中の冒険ではたびたび、幼児のベビーたちが泣いてしまう事も起こるんですが、その度におとな2人が彼らをあやします。キチンと抱き上げて、たまに高い高いとかもやったり、あるいは頭をなでたりして。そしてバトル中でも、攻撃でいったん離れたベビーが寄ってくると、逐一おぶってやってまた戦う、と。なんつーのかこの、マリオ達が見せるこどもに対する優しさに気付いたとき、本作の印象が変わりましたねー。爆笑シナリオの皮を被った和み系RPG、それが本作の実態ではないかと思います。や、なんかスゲェ路線変更っぷりですが(笑)

そんなこんなで、実に楽しめるタイトルではありますが…反面、不満点がとても多い。まず最初に感じたのが、本作のヌルさ。今回ブラザーアタックがBPブラザーポイント制からアイテム消費型に変更されており、ソレは別に構わないんですが、そのBAアイテムが道中やたらと拾いまくれる。しかも、店で売ってる分も大した値段じゃないと来た。だから、ザコ戦でも全然気にすることなく使い放題だし、ボス戦ともなれば全ターンで使用、それでもまだまだ余るほど。おかげで気楽に戦えるってのはある…んですが、必殺技って感じがぜんぜん無くなってるんですよねー。正直言って、あまりにも手軽に過ぎます。

あと他にも、タッチパネル使わないクセに下画面をメインに使ってるせいで、画面がビミョーに見づらい(てか、DSは下画面が暗いことに本作で初めて気付いた)し。クリアーまでの総プレイ時間が17時間足らずと、ボリューム不足な感が否めないし。1ダンジョン中に出る敵が3〜4種程度なのもひっくるめて、全体的に敵キャラの種類が少ないし。過去と未来を行き来する物語のクセに、ストーリーのネタにタイムスリップのギミックが全く活かされてないし。つーか最後のはまぁ、マリオタイトルに物語性を求めるのはハナから間違ってるから、もはや今更的なアレですが。どーにもこう、欠点とまでは行かなくても、不満・不足に思う部分が多すぎなんですよねー。まぁ、画面の見づらさは欠点と言えるか。画面演出の面で仕方無くも思うけど、もーチョット工夫がほしかったよなー。


こんな感じでお送りするマリオ&ルイージRPG2。ハートフルな和みの要素と鋭く斬りこむ爆笑の要素とが同居した物語のなかで、豊かなドットアニメによるバトルを繰り広げるとゆー、色々な”楽しさ”が詰まったタイトルです。クライマックス間際では、マリオ世界の住人に対する戒め(みたいなこと)も描かれるなど、チョットした見所(?)もある本作。ぜひとも多くの人に、『スターの丘』でのルイージの悲惨さをご覧になっていただきたいと思います。…イヤ、アレはマジ笑った。そりゃルイージ号泣するわ、と。



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2006/03/08