感想・電子遊戯編。

メイド イン ワリオ

発売元:任天堂

対応ハード:GBA

ゲームの本質ってなんだろう? 思うにそれは、どれだけ熱中できるかにあるんじゃないだろうか。なんてなコトを、メイドインワリオをプレイしてると思わされるのですよ。


本タイトルのゲームとしての本体は、膨大な数の『プチゲーム』から成る一風変わったシロモノです。シューティングやアクションなどの定まったモノはなく、無数のジャンルから構成される、一種の”群生”みたいな雰囲気のゲーム。「瞬間アクションゲーム」というのが売り文句なワケですが、正に看板に偽り無し。5秒未満の間隔でありとあらゆる種別のゲームが、それこそ怒濤のように襲いかかってきます。そこには成功の達成感も失敗の失望感もいちいち介在する余裕なんて一切ありゃしません。だってそんなモノ感じてる間に次のゲームが始まってんだもの。

そして、プレイが続くにつれ徐々に徐々に加速していくゲームテンポとBGMが、麻薬的にプレイヤーを引きずり込んでいく。この瞬間的なハマリ度の高さには、往年のテレビゲームが持っていた根元的な楽しさに通じるモノがあるような気がします。他にもそう感じる要素はあって、基本的にこのプチゲームってムチャクチャ不親切なんです。いきなり「とべ!」だの「いれろ!」だの画面に表示されるだけで、あとはまるっきり操作説明無しで挑戦させられるワケで。この、どこかプレイヤーを突き放したような感覚はまるでファミコン時代のゲームが持っていたテイストそっくり。あの頃のゲームに感じられた「ゲームの説明云々よりもできない方が悪い」みたいな、やや乱暴な感覚がココにはあります。

なるほど最近のゲームは表現も操作も複雑になり、それを遊んでもらうための懇切丁寧なチュートリアルが不可欠となった面が多々あります。それは『ゲームの進化』という点から考えれば当たり前の事であり、私自身もそれらを否定するつもりはまったくありません。でもゲームの本質とはそんな所にあるんじゃない。1000万ポリゴンもフルボイスもあくまで演出・味付けのためであり、もっとも重要、大切なのは見て・触って・のめりこめるという部分なのではないでしょうか。

そうは言っても所々でやっぱりダメな要素もあるワケで。任天堂のオールドタイトルによるプチゲーム群があるんですが、それの元ネタが古すぎるのばっかり。最近の子供は『ファミリーベーシック』とか『ダックハント』とか持ち出されても知らんだろー。そりゃファミコン世代のオッサン連中は嬉しいかもしらんが、GBAのメイン客層が小学生であることを考慮するとあまり良い選別ではなかったんじゃないかなぁ。まぁンなコト言っといて『マリオペイント』のハエたたきが丸ごと収録されてたときは乱舞して喜んでたオレですが。


そんなこんなのメイドインワリオ。個人的にはすべてのGBAユーザーにオススメです。とりあえず私は「あ、オレまだこんな単純なゲームでも充分ハマれる」と思ったとき少し安心しました(笑) てゆーか隠し要素とかひととおり出し切ってからは、ミニゲームの『PYORO』をサルのように毎日やってましたし。むしろ『PYORO』しかやってなかったし。いや実際ハイスコア61300点(PYORO2は60900点)ってそこそこ自慢に値すると思うんだけどどーだろ?



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2004/11/17