感想・電子遊戯編。

みんな大好き塊魂

発売元:ナムコ

対応ハード:PS2

本作を語る上で欠かすことのできない、否、不可能であると言って良いでしょうほどの存在。そう、王様についてまず最初に取り上げましょう。……え、ふざけたこと言ってないで普通にレビューしてろって? うるせぇ黙って聞いてろ。(←暴言)

まず第一のご登場はオープニングムービーから。前作のケイオスな香り漂うOPから一変、情熱的かつポップな雰囲気のなか、松崎しげるさんが熱唱する『塊オンザスウィング』にのせて、軽やかなまでに王妃とダンスに興じる王様を堪能できます。ダンス以外にも、王妃との仲睦まじい様子も数多く描かれ、お二人がいまだお熱い夫婦であることが存分に伝わるOPなのです。

本作の本筋はつまり、「集まった王様ファン、みんなの夢をかなえる」というもの。その王様ファンも、子供から受験生、主婦にレーサー、ご老人から犬までという幅広い層。広場にはそんな数多くの王様ファンが集い、彼らと共にまた新しい塊を次々大コスモに浮かべていくのです。その塊は前述のとおり、ファン達の願いが集まって出来上がった塊。本作を通して、いかに王様が多くの人々に慕われているか、そしていかに王様がファンの夢をかなえるために努力を惜しまない存在であるのか、それが充分以上に伝わることでしょう。

王様と言えば、そうでした。前作の幕間ムービーは「星野一家のとある一日」といった内容でしたが、本作のMOVIEかみしばい(注:ルビがオカシイが気にしてはいけない)はズバリ「王様の半生」。幼少の頃は、王様パパの厳しいスパルタ教育に涙を誘われ。少年期では、不良の道に進んでしまった若き王様に思わず気を揉み。青年期、王妃と出会い甘酸っぱい青春をひた走る姿にココロ躍り。やがて王様パパとも和解を果たし、そして最後、”現在”へと感動的に繋がってゆく、そんな半生を綴った一連のムービー。王様の知られざる波瀾万丈の人生を、ひとつひとつ紐解くようにして垣間見ることができます。

他にもまだまだ、王様の魅力は盛りだくさん。ローディング中は、アナログスティックで王様フェイスを自由に動かすことができるという部分では、プレイヤーの退屈な時間を少しでも減らそうという王様の配慮&遊び心が分かります。また目標サイズに到達しないなどで塊作りに失敗してしまった際には、目からビームを放出して王様直々のお叱りを受けることに。優しいだけでは無く時には厳しい顔ものぞかせるという王様の別の一面も、知ることができるのです。さらに本作のエンディングでは、なんと驚くことに王様がみず……え、なに、王様のことばっかり語りすぎだって? ぜんぜんゲーム内容に触れて無いって? コレじゃレビュー失格だって? え、うっそ、そんなコトはありませんよ、キチンといつもどーりレビューしてますよ、そりゃあ王様の魅力を伝えたくってついつい思い切った書き出しから始めちゃってるケドあくまでゲームレビューはゲームレビューだものちゃんとゲーム内容についても書いてま……あ。(←何かに気付いた顔)


えーと、そーゆうワケでですネ、少々王様の素晴らしさを語りたかったあまりに原稿用紙2枚半ほどの文字数を費やしてしまいましたがネ、ココからシッカリと、今からバッチリと、みんな大好き塊魂のゲームレビューを・・・・・・・・・・・・・・・・・始めますヨ! さぁみなさん、キチンとついてきてくださいネ! てゆーか、いま読まれてますか? ねぇみんな? おーい…(←無人の荒野に向かって手を振る)


では改めまして。


本作をプレイして感じたことは、前作の欠点をシッカリ補って作られている、という点でした。前作の欠点に、私は「あるステージが不親切」と「全体的なボリュームの薄さ」を取り上げましたが、まずはひとつめについて。本作でもソレと同様のステージがあるんですが、遊びやすさが格段に上がっています。それというのも、ゲームのやりなおしが何時でも直ぐできるようになったから。前作だと、やりなおしはいったんセレクト画面に戻ってから、とゆー不親切な設定でした。ところが今回ソコが変更されており、プレイの真っ最中、あるいは終了時の塊サイズへの不満によって再挑戦しようというとき、すぐさまやりなおせるようになっています。このおかげで、ゲームのテンポがとても良くなっている。続けてふたつめ。今作、ステージの種類が増加したのは当然として、ステージごとの課題内容もバリエーションがとても豊富になりました。中でもとりわけ感心したのが、「募金の塊」を作るステージ。オチモノそれぞれに値段が付いて、塊の大きさではなく総額を増やすというステージなんですが、コレ、普段通りに塊を大きくするよりも、『ルビー』などの小さいオチモノを探して巻きこんだ方が効率が良い、とゆー風にプレイスタイルが変わるんですね。やること自体に変化は無い…けど、各ステージでアプローチを変えることにより、幅広い遊びのスタイルを確立させている。またその他の様々な部分でも、「王様プレゼント」が探しやすくなっていたり、初めて巻きこんだモノは色が変わって表示されたり、各ステージのBGMを自由に選曲できたり、「コスモビューアー」にも改良が加えられていたりなどなど、細かい部分でも”成長”がかいま見られます。そーいったワケで、ゲーム全体を見ても正統的に進化した続編タイトル、といった印象が本作には強く感じられるんですねー。

モチロンのこと、今回も名物(?)であるBGM、通称「ステキソング」は健在。元ピチカート・ファイブ ボーカルの野宮真貴さんによる軽快なポップス『ベイビーユニバース』に、有紗さんのロックタイトル『Everlasting Love』、旧・新作における王様自身を歌い上げるキリンジの『つよがり魂』、前作からのカバーでタイトル通りに魂が抜けたかのようなDOKAKAさんのアカペラ曲『塊オンザロック』などなど、いずれも旧作に負けず劣らずの名曲揃い。前作から引き続き、松崎しげるさんと新沼謙治さんも新曲をひっさげて参加してます。つーか、個人的に言えば今作のラインナップの方が好きです。やはり本作もまた、プレイ経験者ならばサントラは「買い」の一言に限るネ!

それでは恒例の欠点ですが…前述の通り、前作の欠点を軒並みカバーしてくれてるおかげで、欠点らしい欠点はひととおり解消されてるんですよねー。だからホント、コレって言う欠点は別に無いんだよなー。まぁあえて言えば、ポーズ最中に見られる「現在の塊比較」だけは、同じように残してもらいたかったかなぁ。プレイ終了前だけにされちゃったもんね、今回は。


そんなこんなの、みんな大好き塊魂。表面上は完璧なバカゲー……に見せかけておきながら、その実、骨の通った構成と満足のいくボリュームとに裏打ちされた、真面目に真っ当にデザインされた良作アクションゲームです。お手軽操作で充分な楽しさを得られる本作、ぜひともいちどお試しあれ。つーかやっぱ王様あってこその塊魂なワケでして実際動かす王子なんてどーでもよくってともかく今回は王様の活躍っぷりが何より最高でありなんと最大サイズが作れるステージではファンの期待に応える偉大な王様としてまた新たな感動を覚えることになりソレというのも実は塊サイズが3000mを超えると(以下、128行に渡る王様賛辞が続くが削除



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2005/08/09