感想・電子遊戯編。

マリオカートDS

発売元:任天堂

対応ハード:DS

今でこそ、世界一有名なひげオヤジことマリオさんが、究極のさらわれプリンセスことピーチ姫を助ける冒険とはまったく別に、多種多様なバラエティージャンルにご出演されることには(例:医者、ゴルファー、蛇使いもうスッカリ慣れたものですが。とりわけ、この「レーサー」という副業は、ずいぶんとこなれた感もありますね。そんなこんなで、対応ハードの売り上げ増加にさえ充分貢献する、マリオの副業中でも花形のシリーズタイトル、マリオカートDSのレビューに行ってみましょう。

つーワケで、本作の概要をひと言で表現してみると、シリーズ集大成といった感がとても強いですな。参戦キャラクターに各種コース、多様なアイテムにプレイテクニック、さらにはバラエティー溢れる各ゲームモードと、今作が携帯機向けタイトルだってことを忘れかけるほど、実に盛りだくさんの内容。それぞれ、過去シリーズのイイとこ取り プラス DS版の新要素といった構成で、まさに「シリーズの全要素が集まった決定版マリオカート」とでも言うべき内容です。

まずは参戦キャラ。マリオ・ルイージを筆頭に、ピーチ姫やクッパ、ワリオなどなどお馴染みのマリオファミリーがそろい踏みしたあとで、最後に加わるのはファミコンのロボットときたモンだ。また、これら12の操作キャラに加えて、搭乗できるカートが総数36種と、なんともボリューム満点のラインナップ。てゆーか、明らかにレーシングカートじゃない乗り物も多数ありますが、その反面、「これぞマリオカート!」と言うべきデタラメなバラエティーっぷりを、ココですでに誇っていると言えましょう。

次いでレースコース。新規コースが、毎度のごとく16コース収録され、さらに過去の全シリーズからのレトロコース16種も加わるとゆー豪勢さ。新規コースは、純レーシング仕様の『マリオサーキット』に、コースレイアウトの無茶っぷりが冴える『ワルイージピンボール』、その他でもスーパーマリオシリーズ(アクションゲームのな)からそれぞれフューチャーされたコースもあり、なんともオモシロなラインナップです。レトロコースもまた、シリーズの幕開けとでも言うべき『SFC・マリオサーキット1』を、ミニターボなど最新のゲームシステムを駆使して駆け抜けるのには、懐かしさも含めた様々な楽しさを憶えますねー。

そしてゲームモード。通常のグランプリやタイムアタックの他、ふうせんバトルやシャインあつめは、対人以外にもCPU対戦が楽しめるようになったし、じっくりと取り組めるミッションランとゆー新モードも加わり、ココでもまた満点のボリューム。なかでも何より、本作を語る上で絶対欠かせないのが、最大の売りとも言えるWi-Fi通信対戦モードでしょう。無線LAN環境さえ整えられるなら、文字通りに世界中のマリオカートDSユーザーと無制限に対戦レースができるワケで。ネット回線の向こうから共にレースを競い合う相手は、表示されるエンブレムも相まって、本当に千差万別・多種多様。通信速度の関係で、しょっちゅう対戦相手の挙動がガックガクだったりするのはご愛敬、ですが、基本的にバラエティー色の強いレースゲームである本作ゆえ、そうシビアな挙動でなくとも、実は大して気にならなかったりして。ネット対戦のゲームモードとしては、レースで競い合う他にはコミュニケーション手段が一切無い(※本当に無い。チャットはおろか、「こんにちわ」などのひと言メッセージすら存在しない。ワンレース終わって連続対戦を望んだとしても、意思疎通が皆無なのでソレすら不可能。まさに、”レースで語る”ことしかできない)とゆー凄まじさですが…でも反面、このコミュニケーションの無さゆえに、気負いの無い気軽な対戦を楽しめるって側面はありますねー。ひとりの時は各種モードをじっくりと遊び、対戦がしたくなったらWi-Fiで繋いで楽しむ、そしてまた対戦に飽きたらひとりモードに戻る、とゆーよーな、止まるところを知らない不滅のゲームスパイラルに陥りかねない魅力さえ、本作は持っていると思います。

それじゃー欠点ですが…ぶっちゃけ、本作に欠点らしい欠点ってマジで見当たんないんですよねー(微汗) あまりに良く出来すぎてて、不満点はあっても欠点ってのはホントに無い。てなワケで、今回は不満点をあげましょう。つってもひとつだけですけど。エンブレムは複数セーブできるようにしてほしかったな、と。エンブレムを変えようと思ったら、いちから全部ドット打ち直さなきゃなんないのは、正直やはり不便。その日の気分(?)に合わせて、3〜4種類くらい保存できてたら良かったのになー。ま、私がドット打ち好きだから感じた部分かもしれませんが。あとやっぱWi-Fiにひと言メッセージがほしかった、てのも一応あったりして。定型文を送るくらいは、あって良かったと思うんですがねー。でも、意思疎通ゼロの魅力がココは勝るのかなー。やっぱり必要無いのかなー。う〜ん。


そんなこんなのマリオカートDS。GC版ではミニジャンプが無くなったせいで、多少の不満を感じていたんですが、今回はソレも復活して64版に近い操作系に戻ったため、個人的なプレイ感覚の上でも文句無しの内容。過去シリーズの魅力が一挙に集まり、その上で本作独自の魅力も併せ持った、まさに決定版とでも言うべき内容です。シビアにコンマ1秒を争う本格派レーシングとは大きく違う、妨害だろがブーストだろーがなんでも有りのドタバタレーシングを存分に楽しめる本作、ぜひともお試しくださいませ。通信回線の向こう側で、こんなヤロウ 色を除けば完全同一の原寸大。つーか何に手間かけてんだオレ(笑) がお待ちしております。



<<ゲームレビュー


2006/02/16