感想・電子遊戯編。
アナザーコード 2つの記憶
発売元:任天堂 開発元:シング
対応ハード:DS
プレイ以前に本作を推薦してくれたの、外部の人間じゃなくって身内(別個の友人ふたりほど)なんだけど、でもまぁやっぱりお礼の一言はつけときましょーか。良いゲームの紹介、ありがとさん。(←軽っ) そいでは、任天堂発のタイトルとしては比較的めずらしい、アドベンチャーゲームである本作アナザーコードのレビューを始めましょう。 本作の最大にして最高の特徴、それはズバリ、文字通りニンテンドーDSでしか作り得ないゲームだということでしょう。コレは何も、DSが画面をふたつ持ってるゲーム機だからだとか、タッチパネルやマイクなど独自のインターフェイスを備えているからだとか、そーいった理由ではありません。確かにそれらの機能を活用していることで、本作の独特なゲームシステムや魅力は発揮されている…のですけれど、それ以上にもっと、根源的な意味でDSでしか出来ないゲームなのです。それはたとえば、もしも仮にPSPがタッチパネルやマイクを搭載していたとしても、本作の移植は絶対不可能であると、そーゆー意味。もっと言えば、将来的にDSアドバンスなる次世代ハードが出てきたとしても、本作をそのまま復活させることはムリかもしれない。それ程までに、ニンテンドーDSとゆーゲーム機の、2画面やタッチパネルなどの備えている機能、そしてさらにDSの物としての形状までひっくるめて、このハードでしか作り得ないアイディアに満ち満ちたゲーム。それこそが、本作の実態なのです。 この謎解きにはホント、溜息が出るほどに素晴らしいものがあります。そりゃ確かに、どっちかっつったらストレートなまでに、タッチパネルやマイク機能を利用した謎ってのも多いのですけれど。でもやはりこの、”ゲームを遊ぶ機械”の姿カタチをひっ捕まえて生み出された謎の前の、そのアイディアのスゴさにはつくづく感心してしまいます。DSの(本当の意味での)独自性から生まれた要素ばかり誉めてきましたが、それ以外の要素、ゲーム中の風景や物を写真に撮ったり、その写真を重ねたりできるとゆー、本作のゲーム部分での独自のシステムにもまた面白い謎解きが盛り込まれており、”DSならでは”の他でも良く練り込まれた内容に仕上がっているのが実にナイス。もっと単純な面で、インターフェイス部分でも、モノを調べたりアイコンを選択したり、他にも移動では十字キー以外にタッチパネルでもキャラを動かせたりと、遊び勝手に置いてもウマく活用されているのがグッド。ゲームとしてのアイディアと、インターフェイスの両面において、とてもDSならではの特徴・長所に溢れている。そんな感じが本作には強くありますねー。 それでは欠点行きますか。まずひとつ、謎解き部分と物語部分との融合がまったく無いのはいただけないなー。上記のとーり、待ち受ける数多くの謎解きはとても面白いのですが、物語の上から見るとどーにも、 物語を進める → 謎が出てくる → 謎を解く → 物語がまた進行 といったよーな感じで、シナリオ途中の障害(ハードル)としてでしか謎が出てこないのですよね。ここんトコもっと、そんな複雑じゃなくてもイイから、シナリオの内容と絡んだような謎を用意していてほしかったです。物語と謎とが完全にバラバラなんだもんなー。あともうひとつ、プレイ時間があまりにも短すぎ。当方、本作の1周目のプレイでは5時間かからずにエンディングを拝みました。このレビューは2周目途中で書いてるモノですが、たぶん2回分のクリアーでも総プレイ時間は10時間無いでしょうね。コレはなんつーのか、いくらなんでもボリューム無さ過ぎだろ。重厚長大に過ぎたゲーム業界に対するアンチテーゼとしてDSが存在してるのは分かるけど、さすがにコレはどーよ。2周目っつったって、多少の変化こそあれど、基本的なナカミはそのままだしなー。せめてもうチョット、総計15時間以上は楽しめる内容になっていてほしかったです。払った価格に見合うかどーかっつわれたら、正直ビミョーだものねー。
本作のキャッチコピーは「さわれる推理小説」。その看板に嘘偽り無し、DSでしか体験できない面白さがこのゲームにはあります。13歳最後の1日を経て少しだけ大人になっていくアシュレイ・ミズキ・ロビンズの物語、DSユーザーならばいちどは絶対触れていただきたい一作ですね。 |