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感想・漫画編。

プラネテス 1巻

著者:幸村誠

出版元:モーニングKC

「回収できそう? ハチマキ」

「やー、無理だな、でかいかも。
 俺もユーリもマシンの積載限界とっくに超えてるし」

――高度210km。ここはもう立派に宇宙空間だ。

6〜7ページ 宇宙ゴミデブリ回収シーンより


先に言ってしまうとこのマンガ、人からアニメ版を勧められてレンタルを観たのが最初で、ソッチのあまりの面白さに一瞬でハマリ、翌日にはコミックスを買ってきたというのが巡り会いの経緯でして。イヤ実際、あのときのハマリっぷりったら、オレにしてみたら何年に一度とかそんくらいレアな出来事だったなぁ。そんなこんなでプラネテスです。

この作品の何がスゴいって、作画も物語も素晴らしい出来映えをほこっているんですが、なにより設定構築のレベルがメチャメチャ高い。ワープ航法がどうとか宇宙国家がどうとか言うようなタイプのSFとはほとんど対極、”現代の延長上”での近未来宇宙が作品の舞台。ともすれば地味な印象を受けかねないほど地に足がついたような舞台設定なのですが、その「現実的なほど近未来の宇宙の様子」というヤツが、実にハイレベルな考証の上で描かれているため地味だなんて印象が欠片も出てきやしない。スペースデブリって現代でもすでに若干注目されている宇宙問題のひとつだけど、そんな地味なモンをメインターゲットに据えて描いたお話がこんなに面白いなんて。イヤほんとナニゴトですか。

そして、そういった近未来の宇宙環境が舞台である上で、作中で描いている事は明確なまでに人間のドラマであるというのがまた。スペースデブリも宇宙船員ふなのりの様子も宇宙開発に関しての諸問題も、あらゆるSF的考証の高度な要素も、すべてはその場所で生きている人達を描くための演出。近未来宇宙のSFと人間ドラマという要素がどちらもハイクオリティーに、そして両者を密接に絡めながら描かれているこの作品。聞いたハナシじゃ幸村さんって、このマンガが事実上のデビュー作だそうで。こんだけレベルの高いモノを作りながらコレが世に出た最初の作品だとは。あらゆる意味で素晴らしい。こうとしか言いようがありません。良いマンガです。ものすごくオススメ。あとアニメ版もオススメ。



▽自薦名場面 ― 130〜132ページ

 バギンッ

 「はっは――っ! ジャストミートッ」

宇宙テロの犯行を未然に防ぐべく、決死の特効アタックをかけるフィー姐さんの雄姿。いや実際はンな高尚な行動じゃないんだけどさ。にしても宇宙空間で体当たり接触するって、ただの空中でだって難しいだろうによくやるな。そんなにタバコ吸えないのがハラ立ったのかフィー姐さん。とりあえず貴女のその表情は男前すぎます(笑)



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2004/11/30